Nature ナチュール NPOさんさんくらぶ事務局便り

Vol.78
2013年1月29日
発行:NPOさんさんくらぶ事務局
会員数:正会員55人 賛助会員募集中

倉さんの多摩手箱

「治而不忘乱」の検討

陸前高田の海が見える丘の上にキャンプ場があって何度がいったことがあります。現在、そのキャンプ場は壊滅した市街を見下ろす仮設住宅になり、キャンプ場支配人はそこで世話人をやっています。3.11では300人からの避難民を受け容れ、一週間近く、自活したようです。

女川ではトレーラーハウス利用の宿泊施設ができました。トレーラーハウスは、「外圧」のお陰で「随時かつ任意に移動できる」動産と判断され、固定資産税がかかりません。また、国交省道路運送車両法告示改正(12/27)により、安全策を条件に、公道を走行できるようになり、今後の防災、観光振興の客室増設に、トレーラーハウスが注目されます。

実はアメリカには政府危機管理組織及びトレーラーハウス団体に、中古ながら数万台からのキャンピングトレーラーハウスの備蓄があるといいます(これはさすがですね)。アメリカの国債で、これを輸入して、自治体は平時は民宿、キャンプ施設等のバンガロー代わりの施設として備蓄し、災害時拙速でも仮設住宅として提供することができます。

3.11の教訓とは、治に居て乱を忘れず(治而不忘乱:『易経』)、方丈のコンパクトな「庵」(トレーラーハウス)に住める、さらに「いざとなったらテントを張って家族で地面に寝ればいいや、ご飯もバーナーで炊ける」を想定内にしておくことではないでしょうか。やはり寝袋とテントは家庭内備蓄品かもしれません。

昔ドイツでは公園のベンチが戦時には貨車の座席に変わるという変な自慢話がありましたが、日本では、公園のベンチが災害では、カマドに変わるというのはありだろうと思います。スイスでは国民に二ヶ月の食料の備蓄を薦めているそうです。いろいろ、勇ましい言葉を「言挙げ」せず、粛々と相手に手ごわいと思わせる質実剛健の気質を養うことは、国防についても抑止効果があるそうです。

繰り返しますが、海に押し流された人たちの無念を想い、日々の「当たり前」への感謝、質実剛健なシンプルライフの原資として、たまに自然の中に出掛ける体験・旅が都会人にとって必要と考えます。

倉品

里山自然学校2月イベントのお知らせ

〜立春のねむの里の陽だまりで遊ぼう〜

一本杉で炭焼きの見学をしよう。久しぶりにねむの里まで散策に行ってお昼に!
今年も豊作を願いつつ田んぼの整備をしましょう。
参加はどなたでも〜お父さんお母さんもどうぞご一緒に。

開催日 2月9日(土)
集合 一本杉炭焼き窯 09時30分
解散 一本杉駐車場 15時頃
持ち物 ・お弁当・水筒・シート・おしぼり・雨具・帽子・軍手・マスク・おやつ・お椀・スープ用カット野菜・500ml〜1Lのペットボトルに水を入れて(手洗い、飲料用)
服装 汚れても良い服装と靴でご参加ください。ねむの里でたき火をしますが、化繊は火の粉で穴が空きやすく、綿の服が良いとのこと。当日は寒いとも思われますが、調節のできるように各自工夫していらしてください。

※Part2:「星を観る会」(ハーブティーを飲みながら星に願掛け)
※Part3:「極寒お泊り会」(取りとめもない毎日をブツブツと語る)
上記(Part2、3)希望者される方はお問い合わせください。(要寝袋・毛布等)

室生便り

みなさんこんにちは、小埜(藤田)です。

2011年に奈良に移り住んで約2年になります。さんさんくらぶのナチュールをいつも楽しみにしています。

さて今回、奈良県室生便りを記してくださいとのありがたいお申し出をいただきました。

あらためて便りと言いましても一言でいいますと、ここはハイかなりの田舎です。覚悟はしていましたが、駅前に小さな郵便局と農協があるだけであとはひたすら田んぼと山々。

標高400mちかいので、冬は寒く、ちなみに今日も零下になりそうなくらいです。でもその分、星空はとても美しく星座観察を娘達はよくしています。流れ星が良く見えます。近所を流れる清流がさわやかです。このあたりで唯一の私の友人の郵便局のおっちゃんの口癖は「あ、おつりなんぼやった、渡したかいな」といった具合でとにかくのんびりしています。

最初はびっくりしましたが慣れるとここちよくもなってきます。じいちゃんばあちゃんばかりで若い人はいません。車は軽トラばかりで先生達も軽トラ通勤です。あかりの学年は1クラス12人だったので、思わず夏には小豆島に二十四の瞳をめぐる旅に出てしまいました。これはいわゆる限界集落というやつでしょう。慣れるとしかしそれも楽しくなってきます。開き直ってご近所のばあちゃんたちと春にカラオケにいき懐メロをたんまり歌いました。

このような田舎で何もないとはいえ、しかし奈良は神社仏閣においては世界で一番充実しています。家から徒歩2分にある大野寺の樹齢300年と言われるコイトザクラという種類のしだれ桜のピンクと白のコントラストの美しさや、清流を前に30m近い巨岩を背景にした摩崖仏など拝めます。ここではいつもの缶ビールの味がきっと違いますよ。室生寺や長谷寺までも車で20分です。季節が良いときにうかつに歩いているといきなり山部赤人のお墓が現れたりします。弘法大師ゆかりの井戸水を住民が汲んでお風呂を沸かしています。神社仏閣めぐりのカメラおやじがこぞって春には現れます。ニコンと三脚があればにわか土門拳や入江泰吉になった気分になれますよ。

我が家に来てくださったおひげ先生、そのだせんせい、それから何人かの方々ありがとうございます。 冬なら星空、夏なら煩いカエルと涼しい川辺、蛍も合歓の里に勝っている?でしょう、春なら桜(一本杉の桜に勝っている?でしょう。)秋ならススキともみじ(黒山と城山にまさっているかな?)。結構田舎も楽しいですよ。皆さんが遊びにきてくだされば尚のこと。やっぱりさんさんくらぶが恋しいですわ。でもおお我が青春の東京にも時々は行きますけれどね。

ではまたお会いしましょう。 いまはどこにいても絆社会ですものね。

(藤田 哲也)

おひげの国からこんにちは

さんさんくらぶは10歳になります

新しい年がいろいろ波乱含みで始まりました。今年こそ平和で希望のある年にしたいものです。さんさんくらぶは3月で結成以来、満10年になりますが、少しでも世間のお役に立てる活動ができればと念じています。

昨年は定番の子どもキャンプとファミリーコンサートが同じ8月に重なってしまいましたが、それぞれとてもいい感じで終わることができました。これまでずっと続けてきた定例の自然学校が休校になり(子どもたちが皆大きくなって集まりが悪くなったためです)、たいへん寂しくなりました。それでも単発の行事として倉親分のもと、江の島の海へ出かけたり、恒例の高尾山登山を果たしたりしました。新規の事業として11月には「親子元気アップ」に取り組んで秋空のもとすてきな時間を過ごしました(別掲)。

10年ひと昔、終わってみればあっという間でしたが、会員の皆さんの意欲と献身に支えられてずいぶん多彩に事業を行ってきたと思います。これからも多摩ニュータウンを楽しく、面白くすることに取り組んで行きたいものです。しかし、子どもたちが子どもを卒業して青年になり、会員の皆さんも少しずつライフスタイルが変わって来ています。かく言うおひげも還暦から始めて今年はとうとう古稀になります。幼児園を閉じて4年、昨年、短大をリタイアして全くの余暇人になりました。年は移り人も変わります。さんさんくらぶも見直しが必要になってきました。

春が蘇る頃に皆さんにお集まり願って、くらぶ10年の歩みを振り返り、合わせて今後のことを相談する機会を設けたいと思います。10年間に蓄積した有形無形の財産を生かしながら、これから何をしていくか、誰がそれを担っていくか、皆さんのお知恵を借りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

真っ青な空のもと緑の芝生で風変わりな運動会

「親子元気アップ」事業 成功裏に終わる

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2012年11月10日、多摩市南鶴牧小学校で「親子元気アップin多摩市」が行われました。

このグラウンドはその昔、さんさん幼児園が何度も秋の大運動会を開いた場所です。当時と違って今は緑の芝生が広がる気持ちのいい空間になっています。

「親子元気アップ」事業は文科省の助成のもと、日本レクリエーション協会が全国に展開する「家族そろって健康運動」を奨励するキャンペーン・イベントで、今年はさんさんくらぶが多摩市での運営を委託されました。

当日は100パーセントの秋晴れ、風もなく暖かく、まことに快適な天気でした。参加した親子は南鶴牧小の在校生が20組ほど、それと同じくらいのさんさんファミリーが参加して総勢100人ほどになりました。さんさんくらぶの土田さんリードのリズム体操で始まり、導入ゲームの後は芝生へ移動。パラバルーン(巨大な丸い布をみんなで囲んで持ち上げ大きく膨らませる)、キンボール(直径1メートルの真っ赤な巨大ボールを打ち上げる)、クッブ(木の棒で木の標的を倒す)の3つのコーナーに分かれ、親子ともども汗をかきました。カラフルなバルーンやキンボールが青空と芝生に映えて見ていても楽しい。他方、会議室では子どもの体力と運動を巡って講話とおしゃべり。お昼に終わってみんなでお弁当。水飴のおやつもあって子どもたちは大喜びでした。

旧保育者の晴美・久美子ファミリーも来てくれ、懐かしいさんさん運動会を思い出して話に花が咲きました。運営面では石風呂・五太子・高橋・野口さんなどが参画、イベントの案内のチラシやポスターはさんさんくらぶきってのアーティスト山田母さんのデザイン。さんさんの多彩な人材を生かすことのできたイベントになりました。

(おひげ理事長)


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