Nature ナチュール NPOさんさんくらぶ事務局便り

Vol.89
2016年1月1日
発行:NPOさんさんくらぶ事務局
会員数:正会員46人 賛助会員募集中

合歓の里田んぼ報告

広々とした里山田んぼでお米1俵の収穫

今年の田んぼはほぼ好天に恵まれ、大小2枚の田んぼを耕作し、収穫は玄米で60kgを少し超えました。ちょうど米俵1俵ほどです。

代掻きは5月10日、田んぼの自然観察会と銘打って自然保護グループにもPRして、都心からも参加者がありました。6月7日にくろぬり、翌週14日が田植え、例によって田の神に祝詞(のりと)を捧げ、倉品先生率いる帝京大学の学生も多数参加、老若男女うち揃って2枚の田に稲を植えました。7月26日は炎天下での草取り。8月は意外な冷夏で日照不足が心配でした。9月の台風は何とかクリアでき、10月11日に稲刈り、ハザ掛けまで終了。その後は好天気でしっかり乾かすことが出来、25日には雨を前に稲束を倉庫に収納。そして11月22日に脱穀・籾摺りを一気に終えました。

今年は新しい参加者もあり、稲刈りには昔のさんさんファミリーが久し振りに来てくれたり、中国からの女子留学生・王瑞瑞さんが何度も参加してくれたりしましたが、子どもたちは激減して、以前のように小さな子どもたちがずらりと並んで田植えをする光景が見られなくなってしまいました。最後のさんさん卒園生がもう中学生なのですから、それも仕方ないところです。

合歓の里自体は天野さんが新たな仲間と谷の奥を開墾し、藪を全て切り払って、スギ林の所まで広げました。林の下には大きなため池も作られて風景が一変しました。田んぼも大小数枚増えて、見事な棚田が連続する風景が見られます。来年は田んぼファミリーをもっと増やして、増産を目指したいと思います。お米ばかりでなく、下の畑ではジャガイモや里いもを収穫して美味しくいただきました。7月の「遊びのまちだ展」に出展した「じゃがバタ」も合歓の里産の新鮮なジャガイモでした。この手で作った安心かつ安価な食糧を確保したい方、是非とも合歓の里の活動にご参加ください。

(おひげ)

成人の日さんさん餅つき大会のお知らせ

2016年1月11日(月・祝)10時から
(雨天順延、当日朝8時に決定、延期の場合はホームページで広報します)

合歓の里で収穫したもち米をみんなでお餅にしていただく恒例のさんさん餅つきを昨年と同様、成人の日にさんさん旧園舎で行います。収穫のうち15キロ(およそ100人分)を餅つきに充てる予定です。のり餅、黄粉餅、からみ餅、ぼた餅…いろいろなお餅が並びます。搗き手や捏ね手や丸め手がたくさん必要です。もちろん食べ手・飲み手も必要です。家族連れだっておいで下さい。

早起き得意な方は9時ごろに来て準備を手伝ってもらえると幸いです。また、午後3時ごろまでやっていますので、昼からでも遠慮なくおいでください。おひげもそのだも、晴美、久美子をはじめ旧スタッフ、昔々のさんさんファミリーの皆さんも顔をそろえます。差し入れ大歓迎。

車の方は一本杉公園に駐車しておいで下さい。なお、旧来の女坂が通れなくなっています。男坂か、梅林横を抜けて急坂を下って昔のさんさん農園の脇を通って浅間下バス停に抜ける道をおいで下さい。

バスの方は多摩センター10番乗り場から、小野路経由鶴川行きで浅間下まで10分程。
・9:00・9:50・10:40・11:30… 50分おきに出ています。


倉さんの多摩手箱

正月の注意事項

「心だに誠の道にかなひなば祈らずとても神や守らむ」これは菅原道真公=天神様の歌。

心の成長を問うています。しかし、この学問の神様への合格祈願とは他者の不合格が前提です。…絵馬は藁人形かっ?

「何事のおわしますをば知らねども かたじけなさに涙こぼるる」(西行法師)神様にはセコイ現世利益は抜きに、敬虔さが大事。実はこちらが功徳あり。

「山里はいつも正月 門に松」。現代人も「いつも正月」の非日常が日常化して現実逃避の毎日です。「全ての文化的創造物は死を否定する」(『死の拒絶』今防人訳)そうです。早い話が浦安のTDLです。御釈迦様の父王の浄飯王は息子の「英才教育」の為に「生老病死」を考えずに済む浦安TDL的日常を宮廷に演出しました。結果的には「四門」に「出遊」して老人、病人、死人に初めて出会って、あまりのショックに気持ちが沈んで出家という顛末。(TDLがあるウラヤスとはウラ=心が安=やすまるの意味ですが、心を休めず、もっと現実との格差にショックを受けて欲しいものです)。

閑話休題。正月とは、国民全員の誕生日とも考えられます。迷信・御神籤:オミクジを気にせず「憂きことのなほこの上に積もれかし限りある身の力ためさん」(熊沢蕃山)くらいの気概を持ちましょう。

《めでたさも中くらいなりおらが春》(小林一茶)。 「めでたさも中くらい」にして、ゆったりとして神仏と交流し、いつも変化しつづけて一瞬たりとも止まることがない人生の無常を感じる時にする必要があります。

「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」(一休禅師)という考えもあります。

倉品

さんさんファミリー通信

皆様お元気ですか?早いもので、春が来ると奈良での生活も5年が経ちます。長女は中学生、さんさん以来6年ぶりにお弁当を持って通学しています。園児の倍以上の大きさのお弁当箱をうめることに毎朝四苦八苦している母であります。双子は春から六年生になります。庭の小さな畑で野菜を育てたり、実家の田畑を手伝ったりと田舎での生活は結構忙しく、作業に追われる毎日ですが、一昨年より車で10分程のお寺で仕事を始めました。お寺といえば奈良という感じがしますが、21歳で奈良を離れた私にとって地元で本格的に働くことは初めての経験です。与えられたのは、お寺の歴史書を編纂する事務局の仕事、古代・中世・近世・近代・仏教美術・建築各々の専門家がお寺を隅々まで調査し一冊の寺史に仕上げる手伝いです。学生時代全く歴史が好きでなかった私ですが、古文書を解読することにわくわくし、宝物と呼ばれる掛け軸や仏具の寸法を測りながら、遥か昔に思いをはせて仕事をしました。驚いたことに、金銀の字で書かれた美しい奥州藤原氏中尊寺の写経の断簡(一部)が発見され、報道陣が押し寄せたということもありました。ご丁寧に発刊の法要も無事執り行われ、悠久の歴史を感じることができました。処変われば、仕事も様々ですね。さんさんで培ったスピリットは脈々と今も私の中で生きていて、次はどんな仕事をして地域の役にたてるかと日々考えております。
なお夫も弁当持“さんさん”で元気ですよー。

藤田(小埜)亜紀

「里山物語」に続く創作オペラのプロジェクトが始動。

子どもも大人もどなたでも!
ご参加お待ちしています。
詳細は別途チラシを御覧ください。


▲このページの先頭へ